バロック建築の家23-折上げ天井1

シーリングプラン1_400
注文住宅とは色んなコトがあるものです。笑
1700mm角の折上げ天井を作って、直径1000mm弱のメダリオンをデザインしていたのですが・・・
お施主様が見つけられたシャンデリアにちょっとした問題が・・・
『シャンデリアのブラケットの部分のおわんの直径が130mm程あるんです。』
それを聞いた瞬間、ちょっと焦りました。
メダリオンってシャンデリアなどのブラケットの大きさを考えないと、メダリオンの模様にブラケットのおわんが被ってしまって、台無しになってしまいます・・・
メダリオンの中心が直径130mm以上模様が入っていなくて、デザイン性の高いモノ。
メダリオンの径は折上げ天井の大きさからいって直径1000mm前後。
これが結構無いんです・・・
おわんに模様が被らないメダリオンを見つけたのですが、直径が495mmしかないのです。
それだとバランスが悪すぎて、美しくない・・・
色々と策を練りましたが、コーナーモールとシーリングモールで空いた隙間のバランスを整えました。
またしても、トリムワークに助けてもらいました。笑
これが注文住宅、建築の楽しさです。

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バロック建築の家22-エレメントの魔術師2

エレメントの魔術師2_400
まだ足場があって綺麗に撮れないのですが、窓枠の写真です。
洋風住宅や輸入住宅の窓枠って・・・
ラウンドしたモールディングや平板の枠等を連想される方が多いと思います。

でもバロックの時代、曲線を使ったラウンドした窓枠を石膏で模って作り出す技術も出来始めていましたが、やはり石や石膏を削って作る枠の方が、当時の技術としてはまだまだ主流でした。
エレメントの魔術師3_400
だから直線と角だけで作られた窓枠を製作しました。
しかも外側の方が厚みがあって内側の方が薄くなっていくカタチ。
写真には撮りませんでしたが、上枠は勾配をつけて水が落ちるようにしてあります。

これは雨風等が窓に吹き込み難い様に昔の人々が考え出した、窓枠・・・モールディングの原型です。
昔の人達は・・・
どうやって雨風をしのごうとしたのか?
どうやって雨だれを防ごうとしたのか?
そんな事を考えながら、エレメントのデザインや収まりを考えていくと・・・
だからこのカタチになったんだ・・・って気付く事がたくさんあります。

建築の原点には、建築の大切なエッセンスがたくさん詰まっています。

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バロック建築の家21-エレメントの魔術師1

トリムワークの魔術師1_400
エレメントとは複雑な総合体の構成要素。
格好良過ぎる言い方ですが、簡単に言うとディティールの基本要素です。
これも格好つけ過ぎですね。笑
今日から外部の造形の工事に入ったのですが、
家の中心にある柱頭が支えるペディメント=破風になる部分の仕事です。
このエレメントの魔術師は私が描いたトリムワーク等のアーキトレイヴをモノの見事にカタチにしてくれました。
ギリシャ建築の神殿の基本的な構図が確立されてから、ヨーロッパの建築はこの複雑なディティールが連続して折り重なるエレメントによって、神殿としての格式や優雅さを表現して気ました。
しかも石と石膏で・・・ 本当に昔の人は凄いです。
これらのディティールの図面を描くのに、毎晩徹夜した甲斐がありました。笑
かなり精度の高いエレメントが出来そうです。
明日もその他のディティールのご紹介をします。

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